縁付箔(えんつけはく)の工程と体験内容[その2]


[縁付箔(えんつけはく)の工程]

1. 澄切(ずみきり)

上澄を9~12片に切ります。上澄の厚さは場所により異なるため、職人の目利きで大きさを変えて切り分けます。


2. 仕入れ(しきいれ)

紙仕込みを終えた約1800枚ほどの箔打紙の間に、澄切した上澄片を挟んでいきます。


3. 小間打ち(こまうち)/ 小間(こま)

仕入れをした箔打紙の束を革で何重にも包み、箔打機で打ちます。打つことによって熱をもつので、紙の束を小分けにして熱を冷まします。“打つ-冷ます”の作業を数回繰り返し、約10cm角に延ばしたものを小間と呼びます。


4. 渡し仕事(わたししごと)

小間を仕上げ打ち用の箔打紙に移し替えます。


5. 火の間作業(ひのまさぎょう)

渡し作業で移し替えた小間と箔打紙の湿気を除去するために箔打紙の束を暖めます。


6. 打ち前(うちまえ)

箔打紙の束を解いて、箔の延び具合を確認しながら、“打つ-冷ます”を繰り返して箔打機で打ち延ばします。


7. 抜き仕事(ぬきしごと)

打ちあがった金箔は、箔打紙から抜き出して広物帳へ1枚ずつ移し替えます。


8. 箔うつし(はくうつし)/ 縁付箔(えんつけはく)

革板の上に、広物帳から金箔を移し替え、竹枠で規定サイズの正方形に切り、箔合紙と交互に重ね、100枚を1セットとします。これで金沢伝統箔(縁付箔)の完成です。

金箔の標準サイズは三寸六分角(=10.9cm角)です。他に四寸二分角(=12.7cm角)、五寸角(=15.1cm角)などがあります。)